好きなことをして生きるために実行していること

好きなことをして生きるために実行していること

BB Station リクルートサイトをご覧のみなさま、はじめまして。

パチンコライターの栄華(えいか)と申します。

月に1本のペースで寄稿させて頂くことになりました。

どうぞよろしくお願い致します。

 

風呂あがり

 

リクルートサイトということで、「パチンコ×はたらく」というテーマを頂いております。常識的に考えますと「パチンコ業界でお仕事しているキラキラした人々を取材して…」みたいな記事が思い浮かぶテーマなんですが……えーと、なんて言ったらいいのかな。私にそんなライティングの依頼が来るはずないんです。

 

それはなぜか。

 

理由をウダウダ説明したところで楽しくないので、第一回目の今回は自己紹介がてら「今一番書きたい記事」についてお話させて頂こうと思います。これを一読すれば、

 

  • 「キラキラしてる人を取材する」系の依頼が私に来ない理由
  • こんなケッタイな仕事をしてるパチンコライターも存在する

 

ということがお分かり頂けると思います。遠くから薄目で見たら「パチンコ×はたらく」ってテーマにもちゃんと沿ってますので安心して読み進めてください。

 

 

シリーズ企画「一枚のマッチラベルから」

↑見出しでさらっと「今一番書きたいテーマ」を発表させて頂きました。マッチラベルです。お分かりになりますか、マッチラベル。

 

こういうの

 

カワイイでしょう。すべて「昭和時代のパチンコ店」のものばかりです。マッチ箱そのものもあれば、ラベルだけ剥がしたもの(=「燐票」とか「マッチレッテル」ともいいます)もあります。

 

昭和30年代まで箱は木製でした

 

ところで。

私はパチンコに関係する「周辺文化グッズ」をいくつか蒐集しております。

 

パチンコ書籍

 

パチンコ玩具

 

プレート類

 

などです。好きな物を集めるのはすごく楽しい。でも楽しいだけではダメだと思ってます。価値を感じているからこそ集めているので、貴重な物品を管理する者としての責任を持つべきではないかと思うんです。

 

責任とは、「集めっぱなし」にしないこと。

 

集めたものを分類したり、背景について考えたり。また、それらの過程を記事にすることで蒐集物の魅力を発信するのも責任の果たし方のひとつかなと思います。発信することで私と同じように魅力を感じて下さる方が現れれば同好の士が増え、情報交換できるようになったり、分析や考察を深められる可能性もありますしね。そして本企画は、数ある蒐集物の中から「マッチラベル」について発信しようというものです。

 

ここで少し、マッチ蒐集について説明させてください。

 

「マッチラベルを集める」という趣味そのものの存在を知らなかった方もおられるのではないかと思います。私が蒐集を開始したのは2015年の春からですが、愛好者は戦前(古くは明治時代から)から、それも世界中にいらっしゃいます。80代後半以上のおじいちゃんおばあちゃんがおられる方は「昔集めてなかった?」と聞いてみてください。亡くなったお年寄りの遺品の中からこんなスクラップブックが出てくることもあると思います。

 

 

昭和50年前後になると、100円ライターが広く普及してマッチを作るお店が極端に少なくなり、それに伴ってコレクターの数も激減します。現在集めておられるのは、アンティークとしての価値を見出している方や、明治~昭和時代の風俗資料と捉えている方々がほとんどです。

 

私の場合は史料価値重視派ですが「パチンコ店限定」なので、

 

  • 戦前のラベルをチェックしなくていい

   →古くて保存状態のよいものは当然値段が張る!

  • 他に集めている人がほとんどいないので市場価格が安い

   →パチンコ店のマッチラベルはダサいので人気がない!

 

といった点では集めやすいと言えます。しかし、です。そもそも「希少性が低くダサくて二束三文なパチ屋のマッチラベル」が保管されている可能性は低く、蒐集初期は「集める」以前に「見つける」のに苦労しました。

 

Twitterで情報を募集したり、取り扱い実績のありそうな古書店や古道具店に片っ端から問い合わせるなど地道な努力を重ねる中、一時は「どんなひどいコンディションでもパチンコ店のマッチラベルと見れば金額気にせず買ってしまう」という節操なき状況に陥り、今思うとあり得ない価格でずいぶん買ってしまいました。当時は「パチンコ店のマッチラベルが入荷すると自発的に連絡を下さる古書店さん」がありましたが、全く売れ筋ではないマッチラベルを高値でホイホイ買うので「こいつアホだな~」と足元を見られてたと思います(シビアに価格交渉し始めるとパッタリ連絡が来なくなりました)。

 

2015年のツイート

 

そうこうしているうちに少し知恵が身につき、「ネットオークション画像しらみつぶしチェック作戦」という発掘方法を編み出してからはトントン拍子でコレクションが増えてゆきました。5年弱で500枚以上集まったので、そろそろ本格的にアウトプットして行こうと考えたわけです。

 

ネットオークションには数多くのマッチラベルが出品されてます。膨大な画像を一枚一枚拡大してチェックし、キーワード検索でひっかからないパチンコ店のラベルを探し出します

 

私の書くものはだいたいそうなんですが、資料集めや撮影等に数年の時間がかかっています。たまに歴史系の記事をご依頼いただくことがあるのですが、資料が足りないと感じた場合「あと1~2年時間をください」なんぞと信じられない返答をするので「話にならんわ」とだいたい見離されてしまいます(そりゃそうだ)。

 

つまり「持ってる資料で書きたいもんを書いたらええ」と言って下さる取引先としかお仕事できない、というのが私の「パチンコ×はたらく」スタイルなんです。当然ながらこんな就業態度では食っていけませんが、今の生き方をするために手に職をつけましたし(医療系の国家資格を持っています)行けるところギリギリまで好きなことを貫く所存であります。

 

わたしは、わたしのすべてをパチンコの周辺文化研究に捧げたいのです!

 

 

次回予告

ということでシリーズ企画「一枚のマッチラベルから」がいよいよ始まるわけですが、本題に入るのは次からとなります。次回、頭からお尻まであんこぎっしりにするために企画の概要だけ説明しておきますね。

 

500枚以上のパチンコ店マッチラベルコレクションの中から1枚を取り上げ、そのホールが、

「いつ頃」

「どこにあったか」

「現存するのか」

「無ければ跡地はどうなっているのか」

「そのホールを経営していたのはどんな会社なのか」

等々を、マッチラベルの中に記された情報を糸口に調査してみようという内容です。

 

<皆さんの疑問を代弁>

「いつ頃」はともかく、「どこにあった」は簡単に分かるのでは? ホールの宣伝のためのマッチなんだから、さすがに場所ぐらい書いてあるでしょうに。

 

まあ、そう思いますよね。

 

でもね、わたくし昭和30年代の話をしようとしてます。当時のマッチって、だいたいこんな感じなんですよ。

 

所在地のザックリ感よ

 

でも、考えてみたら当たり前なんですよね。当時は郊外型のパチンコ店もなく、お客さんは「近くに住んでる人」や「近くによく来る人」が中心。何県何市何町何番地……と記さなくても、近所の他の店との違いが分かればよかったんです。

 

ですので、「〇〇駅前って、具体的に駅前のどこよ?」ってところまで調べます。そのために、

 

こんなところや、

 

こんなところにも行ってきました。

 

また、そのホールの「創業者の自伝」も発見したので、ユニークな「パチンコ×はたらく」の在り方もご紹介できそうです。

 

 

高まりますね!

高まりますよね?

来月の更新をお楽しみに!!

 

 

ライター紹介:栄華

パチンコライター。全国2500ヶ所以上のパチンコ店を探訪し写真撮影を行うほか、パチンコ書籍やパチンコ玩具等の蒐集など周辺文化の探究に軸足を置いた活動を行う。パチテレ!「パチってる場合ですよ!」「パチンコロックンロールDX」レギュラー。パチンコ必勝ガイドにて「栄華の旅がたり」連載中。著著「八画文化会館VOL.7 ~I ♡ PACHINKO HALL パチンコホールが大好き!!~」が好評発売中。 偏愛パチンコバンド「テンゴ」で作詞とボーカルを担当。