【グルメ企画】
ホール探訪で出会ったうまいもの

ホール探訪で出会ったうまいもの

こんにちは。こちらは栃木県と東京都でパチンコ店「BBステーション」を経営する株式会社大善のオフィシャルサイトです。偏愛パチンコライターの栄華が、どこよりも偏った視点でパチンコホールの魅力を発信しております。

 

先日、初対面の方に私のホール探訪について話したら「お仕事で旅行できて良いですね」というお言葉を賜りました。確かに、私は旅を活動の軸とするライターですが、その内実は「旅行」と呼べるムードではありません。

 

「ご当地グルメとか召し上がったりするでしょ」
「それが、めったにないんです……」

 

食事も「パチンコと関係のある食べ物=パチめし」を常に意識しており、

 

「ホール併設の食堂」
「元パチンコ店を転用した飲食店」
「ホールのお客さんが食事休憩で訪れそうな店」

 

で食べるよう心がけています。店の評判や個人的な好き嫌いは考慮に入れないので、一口食べてしょんぼり……なんてことも少なくないのです。

 

 


▲移動の車内でパンやおにぎりをササッと食べることも

 

しかし、美味しいものにめぐり合う機会が全くないかというと、そういうわけでもありません。もちろん「パチめし」にだって美味しいものがありますし、パチめし以外で思わぬご馳走にありつけることも、少ないながらあります。

 

ということで今回は「旅先で出会った忘れえぬ味」についてしたためるという、ちょっとトラベルライターっぽい企画をお届けします。まずは「東日本編」。お付き合いください。

 

 

北海道のつぶ貝刺身(2017年9月訪問)

美食に出会える地といえば、やはり北海道です。探訪した物件数も、47都道府県中4位(216件)とかなり上位なので滞在時間が長く、おのずと食事回数も多くなります。

 

ただしかし、探訪中は1物件でも数多く訪ねよう早朝からホールの閉店時間まで躍起になって疾走するので食事はおろそかになりますし、たとえ星の数ほど美味しいお店があったとしても、夜遅くなれば閉店してしまいます。

 

そんなとき、頼みの綱になるのが居酒屋。お酒が飲めない私にとっては縁遠い場所ですが、同行者がいるとき、お酒を飲める人だと強力な候補地になります。

 

白老郡白老町。その日はいつもより早めの21時すぎに探訪を終えました。この時間なら食事には事欠かないだろうと思っていたのに、宿の近くに営業中の飲食店が見当たりません。1店舗だけ営業していた居酒屋に「ここしかないから、まあいいか」と入店したところ、Googleクチコミ評価3.8の穴場店。メニューはどれも驚きの安価で、テーブルがあっという間に新鮮な海産物で埋め尽くされました。中でも特に美味しかったのが、この「つぶ貝のお刺身」。

 

 

 

白老郡に程近い日高地方は全国的にも有名なつぶ貝の産地で、味がよくサイズの大きい高級品が獲れるそうです。歯ごたえと凝縮された旨味。この居酒屋が無ければコンビニで夕食を済ませるところだったので感激もひとしおでした。

 

ちなみに……

つぶ貝を食す直前、この日最後の探訪物件はこのホールでした。

 

 

現在は閉業してしまいましたが、2017年にこのレトロな内装が残り、多くのみなし機が稼動していました。店長さんは「私は廃墟が好きでね……近くにお勧めの場所があるよ」と、すこぶるつきの廃ホールを教えてくださる気さくな方でした。

 

 

山梨県の階上焼肉店(2019年4月訪問)

パチンコホールと焼肉店が、同敷地内で営業している例はけっこう多いですよね。特に「1階がホールで2階が焼肉店」というパターンは、別棟パターンと比して誘引力がレベル違いに格上です。ランチタイムや夕暮れ時、店舗まわりを統べるタレの香りのかぐわしさ。パチンコに勝ってしまった日には、その香気に抗える人はまずいないでしょう。

 

そう。勝たざる者食うべからず。私の焼肉にはそんなルールがあります。焼肉店併設ホールで遊技する日は、特殊景品を小窓に差し出す優越ではなく、頬張った肉の感触を脳いっぱいに思い描きながら勝負に挑むのです。

 

さあご覧ください。ここは、勝利をおさめて訪れた階上焼肉店の中でも特に忘れられないお店です。お分かりですよね? 定休日のプレートがパチンコ店のアレです。

 

 

 

▲アレ

 

 

 

カルビやハラミが評判の老舗。お肉の上にトッピングされた玉ねぎスライスがアクセント。リーズナブルでお味が良かったのはもちろんなのですが、最高の調味料になったのはこのビューです。

 

 

テーブル席の一部から、階下のパチンコ店が見えるのです!
勝利の晩餐に酔いしれつつも、この景色に揺さぶられてまたホールに戻りたくなってしまう心の機序は、さながらお汁粉・塩昆布連関。交互にいつまでも味わい続けられたらどんなにいいか……究極の幸せが具現化された空間でした。

 

 

 

このホールは羽根モノコーナーに力を入れていたユニークなお店で、昭和時代を彷彿とさせるハウスルールが印象的でした。夜9時を過ぎても羽根モノにしっかりお客がついて活気があり、私の地元にもこんなホールがあればいいのにと常連さんを羨ましく思いました。しかしホールは2020年に閉業。二度とあの景色を見ることはできません。1階部分は別業種に転用され、焼肉店は現在も営業しています。

 

 

くるみ五平餅(2018年4月訪問)

五平餅と言えば中部地方。私も愛知に住まう民ですので、五平餅はそこそこ食してきたつもりですが、ダントツでうまいと思ったのがこの「くるみ五平餅」。

 

▲もうだめ。写真にむしゃぶりついてしまいそう

 

この五平餅に出会ったのは、もちろんホール探訪がきっかけ。「廃業ホールの跡が駐車場として使用され、建物の内部まで見ることができる物件がある」と何年か前から聞き及んでいて、この時初めて訪れることができたのです。

 

 

岐阜県、某駅前。1970年代は4店舗のパチンコ店がひしめいていた地域。ホールの痕跡が残るのはここだけです。ただし店名や「パチンコ」といった文字が残った掲示物のたぐいは見当たらず、一見残存濃度は薄め。しかし懐かしい「公休日」のプレート(昔はホール組合で店休日を取り決めていた)や、床にシマの跡も残っており、見る人が見ればすぐに元パチンコ店だとわかるでしょう。開店時間を案内する表示物や店内の残留品もたいへん趣深く、なぜもっと早く訪ねなかったんだろうと猛省しました。ホールがオープンした時期を手持ちの資料で特定することはできませんでしたが、閉店したのは1980年代半ばぐらいだったようです。

 

ホール跡にカメラを向け、眼裏に在りし日の賑わいを重ね合わせます。廃業店を撮影する際のいつもの儀式ですが、どうも没入できない自分を感じました。

 

この店から漂ってくる「香ばしい匂い」のせいです。

 

 

いや、香ばしいなんてもんじゃない。香ばしいにもほどがある。香ばしさが殴りかかってくる。殴りながら幻惑してくる。落ち着いて撮影なんてできるわけがないのです。

 

 

ということ香りの暴力に屈してつい購入してしまったのが「くるみ五平餅」だったわけですが、Googleクチコミ評価4.5(投稿388件)の超名店であることを後に知りました。

 

焦げた醤油のきいたくるみダレが、店名の「あまから」を体現。驚いたのは、香りの威力に、味が一歩も引けを取っていないこと。名店の凄みと五平餅の奥深さに開眼させられる経験でした。

 

 

ご感想をお待ちしています

どうでしょう。3つのご馳走を紹介してみましたが、こんなのアリでしょうか。「東日本編」としたからには西日本編もやる気満々なわけですが、不評なら考えを改めますので感想をお聞かせください。ちなみに東日本編の候補はご紹介した以外に7つほどありました(サムネイル画像に入ってます)。3000物件以上訪ね歩いてこの程度ですから、やはり「食」に重きを置いているとは到底言えませんね。それでも「西日本編」を書き上げたあと「麺類編」なんかもやれるのではないかと目論んでおります。

 

また「生涯忘れられないほど美味しかった」というわけではないけれど「パチめし」というくくりで特徴のある料理を紹介する形であれば、それだけで連載をやれそうなほどネタがあります。以前、雑誌の誌面企画でパチめしを題材にした際、モノクロページだったため読者からの感想が「カラーで見たかった」以外に寄せられなかったという苦い経験があります。ウェブ連載で総天然色のパチめし企画をやるのはわたくしの悲願ではありますが、一歩間違えると他の法人の宣伝につながる恐れもあるため、大善さんとよく相談して臨みたいと考えております。

 

 

 

ライター紹介:栄華

パチンコライター。全国3000ヶ所以上のパチンコ店を探訪し写真撮影を行うほか、パチンコ書籍やパチンコ玩具等の蒐集など周辺文化の探究に軸足を置いた活動を行う。パチンコ必勝ガイドにて「栄華の旅がたり」「ゆるパチ偏愛道」連載中。著著「八画文化会館VOL.7 ~I ♡ PACHINKO HALL パチンコホールが大好き!!~」 偏愛パチンコバンド「テンゴ」で作詞とボーカルを担当。